|
6月 ─── 春もとうに過ぎ、これからは暑くなる一方だ。 いつもなら毎日部活で忙しいはずのこの時期も、梅雨のおかげでグラウンドが使えず早めに切り上げられることが多い。 今日も今日とて外は雨。 練習をしていたいと思ってもままならず、屋内の基礎練習で追い返されてしまえば仕方がない。 空いてしまった時間をどうするか思案する。 この間発売された雑誌は既に読んでしまった。 友人と何か…にもあまり気が乗らない。 することが思い当たらず部屋で途方に暮れていると。 くたくたになって帰って来ている頃は気にならない、そんな部屋の乱雑さが目に入った。 綺麗好きと言うわけでもないが。 片付けでもしてみるかと、積んである机の上の本に手を伸ばす。 ぱらぱらとめくっては本棚に押し込んでいく作業。 単調で飽きかねないそれに、彩りを加えたのは、中学の頃から持っている本に挟まっていた数枚の写真だった。 いつ頃写したものだろうか? 様子からみて中学の2年か3年か。 皆で写っているのが数枚。 何故か風景が一枚。 自分の笑い顔なんてまじまじと見るものではないが、笑っているその写真には、自分ひとりが写っている。 自分、ひとり? 本当に? 感じた違和感はすぐに消えた。 目にする写真は確かに一人で。 それは疑いようもないのだが。 桜の横で。 こんな写真を撮っただろうか? またも浮かぶ違和感。 何かが、おかしい? |