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やはり確実なところとしては、ここに写っている連中に話を聞くことだろう。 万一でもただ自分が忘れているだけならいい。 手元に写真があって、記憶にまったくないなんて、それが本当なら怪奇現象だ。 それも全員の記憶になかったとしたら…。 そこまで考えて渋沢は慌てて頭を振った。 まだそこにたどり着くのは早い。 自分の過失かもしれないのだ。 いや、でも。 混乱する頭を落ち着かせようと大きく息を吸う。 そしてゆっくりと息を吐き出して、まずはここにいる連中に写真を見せることだけに意識を向けることにした。 考えては惑わされる。 そう確信していた。 捕まえるのが楽なのは同学年の三上だろうか。 渋沢は写真を、念のため本に挿んで部屋を出る。 三上のことだから急に空いた骨休めの時間は、部屋でパソコンでもやっているに違いない。 渋沢は同じ階の少し離れた部屋のドアをノックする。 返事はなかった。 勘が外れたか?と一応ドアノブを捻ってみるが鍵が掛かっている。外出か、それとも他の部屋にいるのか。 ならば藤代か水野を、とひとつ階を上がる。 声を掛けやすいのは中学の頃から顔見知りの藤代だ。 水野はどうもお互い遠慮が見られるような気がする。 だが廊下を歩いているときに、他の1年が藤代の部屋の不在を教えてくれた。 水野の部屋も反応なし。 せっかく心に決めて部屋を出てきたと言うのに、空回り気味な自分に渋沢は苦笑した。 まさかこれも怪奇現象の一部ではあるまいに。 このまま部屋に戻るのも気に掛かる。 誰かを探すべきか…? 渋沢は階段を下りながら思案した。 |