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「何みてんだ?」 後ろの方から声が聞こえ、渋沢は慌てて振り向いた。 写真自体に問題はなく、見られても何があるわけではないと思うが、それでもやはり謎が多い分人目に晒すのは気に掛かる。 立っていたのは3年の先輩だった。 高等部からの外部入学にも関わらず、レギュラーポジションを死守している。 持ち上がり組ともめたことがあると聞いていたが、誰であろうと気さくに話し掛けてくる、普段なら話しやすい先輩なのだが。 「ん?写真か?」 だが、牽制する前にそれらを目ざとく見つけられ手にとられる。 消えてなくなるかも、なんてことは思わなかったがあまりいい気はしない。 そんな渋沢の苦々しい気持ちが顔に出ていたのか、3年は矛先を藤代に向けた。 「何、これ中学のときのか?」 「え、えぇ。そうっすよ。俺が2年で渋沢センパイが3年のときっす」 「へぇ…。なんだ、あんまりかわんねぇな」 しげしげと見比べられるが愛想笑いしか浮かべられない。 藤代も困ったように渋沢と3年を見ている。 「ん?あれ、水野って外部だって言ってなかったか?」 「そうですよ。だからそこにいるのは水野の中学のときの部活仲間で」 今度は渋沢が尋ねられ、聞かれれば答えないわけにもいかず、なるべく苛立ちを表に出さないように説明した。 「道理で見たことない奴らがいると思った。水野がいたってことはそこそこ強かったんだろ?今もサッカーやってんの?」 「金髪のは今山白にいる藤村ですよ。……それと黒いのは今ドイツにいます」 「あぁ!山白の!」 3年はドイツにいると言った風祭よりも今後対戦する可能性のある藤村に興味を持ったようだ。 しきりに渋沢と藤代に藤村のプレイを聞いてくる。 不可思議な現象に神経が尖っていたのだろう。 この3年と話しているうちにだんだんと気持ちが落ち着いてくる。 渋沢は内心3年の先輩に感謝しつつ自分を戒める。 冷静にならなくてはいけない。 そう、冷静に。 と、思った、そのとき。 「で、もう一人はまだサッカーやってんの?」 「え?いや、彼はドイツにリハビリに行っていて…」 「じゃなくってもう一人」 「え…?」 きょとんとした二人に、3年も首を傾げた。 「いや、だから」 3年は写真を指差す。 「こいつ」 そこにいたのは……あったのは。 「誰?」 綺麗な、桜。 |